APQP (先行製品品質計画/ Advanced Product Quality Planning) において、最も重要なことは顧客の声をしっかりと聞くことにあります。顧客が製品に対して何を求め、必要とし、期待しているかを明確に理解し、それに応じた計画を立てることで、顧客の期待にあらゆる方面から応えることが可能になります。

新しい製品や改良された製品を市場に送り出すことがある製造業者であれば、すでに品質管理システム (QMS) は整備されているという企業でも、APQPプロセスの導入は時間も資金も投資をする価値があります。
生産工程にはプロセス上の問題をはじめ、それ固有のリスクがそもそも存在します。APQPのプロセスはリスクを最小化し、品質の向上/最適化を可能にすることで事業の成長に結びつけます。

APQPについて、より詳しく知りたい方は弊社のオンデマンドWebinar (オンラインセミナー) をご覧ください。 How to Implement APQP Right: the Process & the Benefits (英語のみ)

併せて、品質管理システム(QMS)の顧客事例もお読みください。

• SMR(ドイツ、シュツットガルトに本社をおくバックミラー、センシングカメラ等の製造メーカー)

APQPの５つのステップ：仕組み

APQPとは？米国品質協会自動車部門によると、APQPはコンセプト承認から生産までの重要なタスクを含む構造化されたプロセスで、顧客の要求を満たす製品を開発・製造するための製品品質計画を作成することを目的としています。この計画は5つにプロセスを分けて進めていきます。

1. 製品の企画と品質プログラムの定義

2. 製品設計・開発

3. プロセス設計・開発

4. 製品・プロセスの検証

5. 生産開始・評価・改善

では、それぞれを詳しく見ていきましょう。

ステップ１：製品企画とプログラムの定義

顧客の要求が新製品の導入や既存製品の改良を必要とする場合、製品設計や再設計の議論の前に事前の計画が何よりも重要です。この段階では、顧客のニーズと製品に期待している事を理解することを目的としています。

計画には、顧客が何を望んでいるかを定義するために必要なデータを収集し、その情報を使って製品の特性を洗い出すことが含まれており、指定された製品を作るために必要な品質プログラムを定義することができます。この作業のアウトプットには、製品設計、信頼性、品質目標などがあります。

ステップ２：製品設計・開発

製品設計を完成させること焦点を当てます。同時に、製品実現可能性の評価も行います。得られる成果としては、以下のようなものがあります。

• 設計レビュー・検証の完了

• 部品・資材の仕様と設備要件を定義

• 故障確率を評価するための設計故障モードと影響解析を完了

• 試作品作成のための管理計画の策定

ステップ３：プロセス設計・開発

新製品や改良品を生産する製造プロセスの計画に焦点を当てます。目標は、製品仕様、製品品質、および生産コストを念頭に置きながら、生産プロセスを設計・開発することで、プロセスは効率を維持しながら、予想される消費者の需要に見合うだけの生産が可能でなければなりません。ここでの成果の例としては、以下のようなものがあります。

• プロセスフローの完成

• リスクを特定、対処するための工程FMEAと影響分析の完成

• 工程内品質スペックの決定

• 製品の仕上げと梱包要件

ステップ４：製品・プロセスの検証

製造プロセスと最終製品を検証するためのテストを行います。ステップには以下が含まれます。

• 製品の受入基準と生産プロセスの信頼性と能力を確認

• 生産試運転の実施

• 実装された生産方法の有効性を確認するための完成品検査

• 次の段階に進むために必要な調整を行う

ステップ５：生産開始・評価・継続的な改善

本格的な生産はこの段階で開始され、プロセスの評価と改善に重点が置かれます。プロセスのばらつきを減らし、問題点を特定、継続的な改善を支援するための是正措置を開始することに加え、プロセスの効率性や品質計画の有効性に関する顧客のフィードバックやデータを収集し、評価することが主なポイントとなります。主要な成果に含まれるものとしては以下の通りです。

• 工程のばらつきの低減、製造工程の改善

• 製品の納入品質と顧客サービスの向上

• 顧客満足度の向上

APQPは、顧客のニーズと期待に沿った製品を生産するために必要な作業を計画、定義、完了させるための仕組みを提供します。このプログラムは、FMEA、SPC、PPAP、包括的な管理計画などの標準的な品質ツールを使用して有効性を高めることが求められます。

製造業者にとってAPQPの導入のメリットは、製品品質やプロセスのリスクを最小限に抑え、競争力を向上させることで、新製品発売をより短期間で成功に導くことにあります。

APQPについて、より詳しく知りたい方は弊社のオンデマンドWebinar (オンラインセミナー) をご覧ください。 How to Implement APQP Right: the Process & the Benefits (英語のみ)

併せて、品質管理システム(QMS)の顧客事例もお読みください。

• SMR(ドイツ、シュツットガルトに本社をおくバックミラー、センシングカメラ等の製造メーカー)